私はこれまで数百単位のEAを開発してきましたが、
それらの全てがプラス収益になっているわけではありません。

もちろん、バックテストの段階では
できるだけ綺麗な右肩上がりの収益曲線になるように、
できるだけ多くのプラス収益が残せるように開発します。

しかし、フォワードテストの段階に移行すると、
思ったほど収益が伸びなかったり、
想定外のドローダウンになってしまうEAも出てきます。

では、そうした収益が伸びないEAは、
その後どのように対処すればよいのか、
そのまま放っておくのか or
バージョンアップするのか or
諦めて削除するのか、
個人的な見解を述べておきます。

成績不振の自作EAの対処方法は?

EA運用・開発に正解はありませんので、
あくまでも私の見解です。

まずはフォワードテストを開始して、
数ヶ月ほど経つと、徐々にそのEAの成績が見えてきます。

その時点でフォワードテストの成績が芳しくないと判断されるEAについては、

  1. まずは1年間ほどフォワードテストを継続する
  2. その過程でフォワードテストが上向けば問題なし
  3. 1年経過してもフォワードテストが上向かなければ
    内容を精査してバージョンアップ

としています。

そして、バージョンアップしたEAを上記1番から再度繰り返します。

その後、3回ほどバージョンアップしても
フォワードテストが上向かなければ、
そのEAは諦めて削除します。

しかし、諦めたからといって、
それまでの開発の努力が無駄になったわけではありません。

そのEAのそれまでのフォワードテストを検証することで、
エントリーロジックに優位性がなかったのか or
決済のロジックに優位性がなかったのか or
無意味なフィルターが多過ぎたのか or
今の相場状況と合っていないのか or
そもそもEAのコンセプトがおかしかったのか
などが学習でき、
次のEA開発につなげることができますからね。

コードネーム「MaCross」をバージョンアップ

2018年の年末、以下のようなEAを開発しました。

ベースとしたロジックは、
2つの移動平均線がゴールデンクロスしたらロング、
2つの移動平均線がデッドクロスしたらショート。

このシンプルなロジックに
複数の環境認識フィルターを加味して開発したのが
コードネーム「MaCross」というEAです。

バックテストは以下になります。
macross20080401
PFは1.61と高水準、純益も4.8倍に増えています。

勝率は5割以下ですが、リスクリワード比は2以上になっており、
損小利大で収益を増やす王道的な順張り手法のEAになっています。

このEAの開発が終わり、
翌年2019年1月から早速フォワードテストを開始したんですが、
その経過が以下になります。
foward20080402
フォワードテスト開始直後から
綺麗な右肩下がりになっています。。。

バックテストでは右肩上がりなのに、
フォワードテストでは右肩下がり。
こういう事は普通に起こり得ます。

まぁ、2019年当初は低ボラティリティ相場でしたし、
損小利大の本EAとは相性が悪かった可能性もあります。

その後も様子見をして、
今年に入ってからのコロナショックでは
高ボラティリティ相場となり、
徐々に成績も回復してきましたが、
既に1年以上経っていたので、
内容を精査してバージョンアップすることにしました。

そのバージョンアップ版のバックテストが以下になります。
macross20080403
旧版と比較すると、
純益は、48414.65から69598.26へ、
PFは、1.61から1.78へ、
期待利得は、19.84から32.91へ、
全て大幅上昇してます。

ロジック的には低ボラティリティでもそれなりに対応できるようにしたことで、
収益グラフも、よりなだらかな右肩上がりに改良できました。

現在、このバージョンアップ版でフォワードテストを再開しているんですが、
はたして上手くいってくれるでしょうか?

1年後に再度判断します。