興味本位で、お遊び感覚でナンピン系EAを作ってみました。
ナンピン系EAとは、エントリー以降に含み損になったら
次々と追加でポジションを取り、取得単価を均すことで
勝ち逃げしやすくするロジックを内蔵したEAです。
例えば、ロングポジションを持ち、
その後、レートが下がってしまって含み損になったら、
追加でロングポジションを取ります。
それでも更にレートが下がってしまったら
更に追加でロングポジションを取ります。
こうしてレートが下がるにつれて、
次々とロングポジションを取ると、
ポジションの平均取得単価が下がってくるので、
僅かなレートの上昇でも利確しやすい、
つまり、勝ち逃げしやすくなるんですね。
しかし、ナンピン系EAには致命的な弱点があります。
そうです、レートが想定外に下がり続けたら
一気に破綻してしまうんですね。
どんどんポジションを持つということは、
想定以上のロット数になることを意味するので、
ほんの少しのレートの動きでも資金が大きく増減します。
なので、一方的な下降トレンドに捕まってしまったら
想定以上のポジションを抱えたまま膨大な含み損になり、
いつしか保証金維持率を割ってしまって
強制ロスカットさせられてしまいます。
ナンピンの弊害については、
私は何度も記事にしています。
裁量トレードでも、EAでも、ナンピンは避けるべきです。
その前提を踏まえたうえで、今回はあくまでも興味本位で、
お遊び感覚でナンピン系EAを作ってみました。
まぁ、私は今までナンピン系EAを作ったことがなかったので、
ちょっと試しに作ってみたかったんですね。
で、作ってみて分かったんですが、
ナンピン系EAって簡単にできちゃいます。
私が作ったナンピン系EAの過去12年間分のバックテスト
ナンピン系EAは簡単に作れちゃいます。
要は、
“利確位置はできるだけ近くにして、
損切りの位置はできるだけ遠くにして、
適当な間隔で追加ポジションを取るだけ”
です。
あと、複数ポジションを持ったら
僅かな利益で逃げるようにすればナンピン系EAの完成です。
これだけです。
私が最初に作ったナンピン系EAのバックテストは
以下のようになりました。
これはUSDJPY専用のロングポジションのみのEAで、
基本的なロジックは、RSIで逆張り的にロングポジションを持ち、
レートが下がるにつれて最大で10ポジションまで持つ仕様になっています。
サンプル1
約12年間分のバックテストですが、
この程度なら普通に作れます。
ナンピン系ですから負ける時にはドカンと負けます。
上記の収益曲線でも、前半部分の3~4ヶ所でドカンと負けて
グラフがストンと垂直に落ち込んでいる所がありますね。
これらの箇所では、ナンピンしたにも関わらず、
レートが上がってこなかったので、
一気にストップにかかって損切りになっています。
一応、こんな感じで作ってみたものの、
このままでは個人的に納得できないので、
ドカンと負けてしまった箇所のチャートを確認したうえで、
パラメーター調整、フィルター追加などをすると、
以下のように改良できます。
サンプル2
一瞬だけ下がっている個所が散見されますが、
ほぼ一直線に右肩上がりになっていますね。
過去12年の間にはリーマンショックや東日本大震災など
様々なセーリングクライマックスが起こりました。
にも関わらず、それらをものともせずに、
ほとんど何の影響も受けずに、ただひたすらに
利益を綺麗に積み重ねています。
FX初心者、EA初心者にとっては魅力的に映るEAでしょう。
某サイトに出品すれば
数万円の価格で販売できるのではないでしょうか。
これだけのEAを作っておきながら、自分で言うのも何ですが、
私ならこのEAを実践で稼働しません。
なぜなら、
“過去のチャートを確認して、
ストップに引っかからないように辻褄を合わせただけの
都合の良いEAだから”
です。