EA(自動売買)の成績は相場のボラティリティに左右されます。
もちろん、EAのタイプによりますが、
一般的には、ボラティリティが高いほど収益を上げやすく、
ボラティリティが低いほど収益を上げにくいです。
そして、ご存じのように
昨年までは異常なまでの低ボラティリティ相場だったものが、
新型コロナウィルスの影響が出始めた2月下旬あたりからは一転、
異常なまでの高ボラティリティ相場に変わっています。
これだけ相場状況が大きく変われば、
当然のごとく、EAにも大きな影響が出てきます。
他様のEAをチェックすると、
去年までの低ボラティリティ相場では好成績だったのに、
2月あたりから一気に不調になったEAが続出しています。
やはり、直近僅か2~3年のバックテストしかしていない、
つまり、低ボラティリティ相場に最適化したEAでは、
今の相場を乗り切るのは難しいでしょう。
ボラティリティの大変動で自作EAの成績にも影響が
もちろん、私のEA群にも良い意味でも悪いでも影響が出ています。
私が開発するEAは、過去10年間のバックテストが右肩上がりで、
できるだけ利大を目指すロジックを採用しているものが多いです。
では、なぜ利大を目指しているのか、、、
その理由は明らかで、
過去チャートでの検証から
利大を目指した方が利益が大きくなると分かっているから
です。
しかし、逆を言うと、利大を目指すロジックは、
低ボラティリティ相場とは相性が良くないのも事実です。
これに関しては簡単な理屈で、
低ボラティリティ相場だと、利大を目指したとしても利益が伸びす、
すぐに反転してしまうからですね。
狭い値動きの中をいくらポジションをキープしても
含み益は一向に増えてくれず、
逆に、反転の憂き目にあって損切りにあってしまう確率が高まります。
よって、去年までの低ボラティリティ相場では、
私のEA群の中の、特にブレイク系EAの成績は
芳しくありませんでした。
しかし、今年の2月下旬からの
異常なまでの高ボラティリティ相場に変わってからは、
去年までの停滞していた成績が嘘であるかのように、
好調に転じてきています。
そのあたりの詳しい状況を検証、分析してみます。
以下は、2018年9月頃からのドル円の日足チャートと、
2019年1月頃からの自作ブレイク系EAの成績の推移です。
日足チャートではサブウィンドウのATR(10)に注目してください。
ATR(10)とはボラティリティの大きさを表す指標ですが、
オレンジ色矢印で示したように、
2019年1月頃に上昇して以降はダラダラと下落傾向、
そして、2019年8月頃に上昇して以降はダラダラと下落傾向、
そして、直近2020年3月に急騰して今に至る、
という流れです。
2019年1月のATRの上昇はアップルショック、
2019年8月のATRの上昇は不明?
2020年3月のATRの急騰はコロナショックが原因ですね。
それを踏まえたうえで、
次に自作ブレイク系EAの成績の推移を確認すると、
奇しくも!同じようなグラフ曲線を描いています!
そうです、
日足ATRが上昇する場面においては成績が良くなり、
日足ATRがダラダラと下降する場面においては
成績が悪くなっているんですね。
見事な相関性です。
実はこのブレイク系EA、開発が終わってから数年経過しているので、
もはや有効性が無くなってきたのではないかと心配していたんですが、
ボラティリティさえ戻ってくれれば
ちゃんと機能してくれると分かって安心しました。
「日足のボラティリティなんて関係ない」
と思っているEA開発者は多いですが、
少なくとも自作のEAに関しては大きな影響を及ぼしています。
そして、これらの分析結果からは、
日足ATRが低い相場状況の時には、
自作ブレイク系EAのリアル運用は控えよう。
目安としては、日足ATR(10)が1.0を超えれば
期待値が上がるだろう。
別の側面からは、
ボラティリティがもう少し低くても成績が良くなるように
ロジックを改良することも検討すべきか。
のように結論付けることができるでしょう。
、、、とまぁ、こんな感じで、日々分析を繰り返しています。