私はサラリーマン時代、プログラマーやSEの仕事をしていたので、
その時に培った知識から、
EA開発に必要な言語は割とすんなり理解できました。
そこで、趣味と実益を兼ねて、
これまで数多くのEAを開発して実際に運用したり、
また、販売されている他社のEAもポートフォリオに組み込んで
複数のEAを同時に稼働させたりしています。
また、自分なりのEAの見解を述べたりもしていますので、
もしかしたら、このブログしか知らない読者様の中には
私がEAトレーダー、EAをメインとしているトレーダーと
思っている方がいるかもしれませんが、それは違います。
私は裁量トレーダーです。
あえて言うのなら、
“プログラミングもできる裁量トレーダー”
というスタンスです。
一応、自分的にはトレードというものを
プログラマー的視点と裁量トレーダー的視点の両方で
考察できる点が強みだと思っています。
で、EAと裁量トレードの両方経験している立場からすると、
やはり、期待値という面においては、
裁量トレード>EA
という不等号にならざるを得ません。
裁量トレードなら、ナンピン無し、マーチンゲール無しの
単一ロットでのトレードで、PF>2を出すことは全然可能ですが、
EAだと、ナンピン無し、マーチンゲール無しの
単一ロットでのトレードで、PF>2を出すことはかなり難しいです。
もちろん、週単位や月単位の短期間なら、
EAでもPF>2の成績を収める事もありますが、
その成績を年単位で安定的に出すことは無理でしょう。
やはり、固定のロジックである以上、
どうしてもその時の相場状況と合わない時がやってきます。
そして、その合わない状況がいつまで続き、
いつから相性の良い相場状況に変わるのか、
その転換ポイントの見極めも難しいです。
EAは放ったらかしで何もせずに資金がどんどん増えていく!?
数年前まで、私はEAに関しては否定的に見ていましたが、
自分でEAを開発するようになって、
EAのメリットやデメリットを理解できるようになって以降は、
多少、賛成派に傾くようになりました。
しかし、全面的に賛成というわけではありません。
期待値>1の可能性は認めるものの、巷の
“放ったらかしで何もせずに資金がどんどん増えていく”
というEA特有の表現は
どうしても受け入れられません。
私自身、そんなEAに出会った事が無いです。
どんな優秀なEAであっても、
それがEAである以上、そして固定のロジックである以上、
必ずドローダウンの時期がやってきます。
その時にどのように対処するか、が重要です。
おそらくですが、ドローダウンを受け入れて、つまり、
月単位での、もしかしたら年単位での収益の落ち込みの可能性がある事を
納得してEAを稼働している人は少ないでしょう。
EAのドローダウンにはいくつかの可能性があります。
- そもそも優位性が無いEAだった
- 直近の相場に過剰最適化しただけで賞味期限の切れてしまったEAだった
- EA自体は有効だがロジックと相場が合っていない期間に入った
などでしょうか。
このうち本物は3番だけですが、
それを見分けるためには自分でフォワードテストを行い、
その収益の動向を常に監視していく必要があります。
さらには、EAは単独で稼働させるのではなく、
できるだけドローダウンの割合を少なくするためにも
特徴の違う複数のEAを同時並行的に稼働させる必要もあります。
つまり、EA運用には監督業的なスキルも求められます。
どんな長所、短所を持ったEAを採用すべきか?
幾つのEAでポートフォリオを組むべきか?
それぞれのEAのロット配分はどうすべきか?
ドローダウン時の停止のルールはどうすべきか?
どのタイミングでEAを入れ替えるべきか?
等々、放ったらかしとは程遠い作業が必要になります。
基本、EAに任せますが、適時自分の裁量判断を加える事で
できるだけパフォーマンスの最大化を目指し、
トータルでプラスの収益にする事が本来のEAの運用の仕方
だと思っています。
でも、それが難しいんですが。
裁量トレードのスキルを向上させるのか、
EA運用のスキルを向上させるのか。。。
どちらも一朝一夕にできるものではないです。