私の場合、市販されているEAでも自作のEAでも、
いきなり、リアルトレードから始める事はしません。
なぜなら、というか、当たり前の事ですが、
バックテストの成績がそのままリアルトレードの成績と
イコールになる事はあり得ないからです。
市販のEAに関しては、その内部ロジックは
ブラックボックスのままになっている事が普通なので、
よっぽど開発者が信頼できる人でなければ、
無条件にリアルトレードから始める事は得策ではないでしょう。
また私の場合、自作EAであっても信用していません。
つまり、自分自身でさえも信用していません。
これまでのEA開発から、
バックテストで好成績を収めていても、
フォワードテストになると成績が芳しくない、
という経験もしてきていますので。
なので、まずは、
デモトレードによるフォワードテストを数ヶ月間行い、
PF>1が確認できた時点でようやくリアルトレードへの移行を
検討するようにしています。
おそらくどのEA開発者であっても、
そのEAが出来上がった時点で
そのEAが必ずリアルトレードでPF>1になると
確信できている人はいないはずです。
そんな、未来を確信できるような人は
稀有な天才プログラマーか、もしくは、
未熟な凡人プログラマーかのどちらかでしょう。
EAのタイプにもよりますのであくまでも一般論ですが、
最低でも2~3ヶ月間ほどは
デモによるフォワードテストを行う必要があります。
もちろん、期間は長ければ長いほど良いです。
トレード回数でいうと、
最低でも50回は欲しいですね。
もちろんこちらも、回数は多ければ多いほど良いです。
上記の、2~3ヶ月間以上、50回以上という
フォワードテストを満たしたうえでPF>1になっていれば、
リアルトレードへの移行を検討しても良いと思います。
ドローダウンを抑えるリアルトレードへの移行タイミング
リアルトレードへ移行する事を決めたとしても、
稼働し始めていきなりドローダウンに見舞われてしまっては
意気消沈してしまいますね。
しかし、これもアノマリーの法則と言えるかもしれませんが、
多くのEA運用者が稼働直後のドローダウンを経験しています。
では、稼働直後にドローダウンを受けずに、
最初から好調期でスタートするにはどうすれば良いのか。。。
あくまでも個人的な意見ですが、
それは、、、
フォワードテスト時にドローダウンを経験させて、
その直後からリアルトレードを始めるようにすれば、
運用開始時のドローダウンを最小限に抑える事ができる可能性が高まります。
これをEAのタイプ別に考えてみましょう。
1.高勝率EAの場合
高勝率のEAというのは、損大利小、つまり、
コツコツ勝ってドカンと負けるタイプのEAなので、
フォワードテストでドカンと負けた事を経験させてから
リアルトレードを開始するようにします。
高勝率タイプEAの収益曲線
高勝率といってもどの程度かにもよりますので、
こちらも一概には言えませんが、バックテストなどから推測し、
フォワードテストで大きく負けた直後にリアルトレードの運用を開始すれば、
フォワードテストで大きく負けた分のドローダウンは
リアルトレードでは受けずに済みますね。
2.損小利大EAの場合
損小利大のEAというのは、低勝率で小さな負けを受けながらも
勝つときは大きく勝つタイプのEAなので、
フォワードテストでジリ安展開のドローダウンを経験させてから
リアルトレードを開始するようにします。
損小利大タイプEAの収益曲線
損小利大といってもどの程度かにもよりますので、
こちらも一概には言えませんが、バックテストなどから推測し、
フォワードテストでドローダウンとなり、
その後回復基調を見せ始めた段階でリアルトレードの運用を開始すれば、
フォワードテストでのジリ安のドローダウンは
リアルトレードでは受けずに済みますね。
どちらのタイプのEAであっても、
本当に機能する優位性のあるEAであれば、
ドローダウン後は復調の兆しを見せるはずですので、
それに期待するわけですね。
すぐにでも儲けたいという気持ちから、
いきなりリアルトレードから始める人が多いですが、
焦りは禁物です。
まず、バックテストの成績を分析し、
次に、フォワードテストの推移を検証し、
その上でようやく、リアルトレードに移行できます。
順序を守って正しく運用していきましょう。